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24時間社会を支える公共性と安定性が魅力の通信インフラ業界ですが、就職を考えるにあたってはその年収も気になるところ。
ここでは、業界の平均年収や国民平均との比較、年齢別の推移など、社会の基盤を担う通信インフラ業界の給与水準について紹介します。
通信インフラ業界は、固定電話やインターネット、第5世代通信システム(5G)といったデジタル社会の基盤を24時間体制で維持・管理する公共性の高い業界です。
主な職種としては、ネットワークの設計・構築を行うインフラエンジニアをはじめ、システムの保守・運用、サイバー攻撃から守るセキュリティ担当などの多岐にわたる専門職が存在します。
社会のデジタル化に伴い需要は年々拡大しており、その収益構造は安定しています。
年齢や職種によっても異なりますが、通信インフラ業界全体の平均年収は500~600万円前後となっており、個人のスキルや担当する役割によってはさらに高い報酬が期待できる、やりがいと安定を両立した環境といえます。
国税庁が発表している「民間給与実態統計調査」によれば、日本の給与所得者の平均年収は約480万円前後です。これと比較すると、通信インフラ業界の年収は全国平均と同等、あるいはそれを上回る高水準にあることが分かります。
特に生活に欠かせない「つなぐ」技術を支える専門性の高さが評価されており、同年代の他職種と比較しても優遇される傾向にあります。
また、景気変動の影響を受けにくいストック型のビジネスモデルであるため、ボーナスなどの賞与も安定して支給される企業が多く、生涯賃金の観点からも非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。
通信インフラ業界の年収は、職種や役割によって大きく異なります。なかでもネットワークやサーバーの構築・運用を担う技術職は、業界の安定稼働を支える中核的な存在です。
本項ではキャリア形成の具体的なイメージを持っていただくため、技術職の代表格である「ネットワークエンジニア」に焦点を当ててご紹介します。
ネットワークエンジニアは20代のうちは保守・運用業務からスタートすることが多いため、平均年収は380万~450万円前後が一般的。しかし、夜勤手当や資格手当によっては早期に年収を高めることも可能です。
中堅層の30代で設計・構築などの上流工程やプロジェクト管理を任されれば、480万~600万円前後へと伸長します。
さらに40代以降にマネジメント層や高度なスペシャリストへと進めば、600~750万円前後に。50代になると経験を活かした管理職として、おおよそ700~800万円が目安となります。
20代の運用・保守の基礎業務から年齢・経験を重ねて設計・構築、マネジメントといった上流工程を担うようになれば、収入を大きく増やすことができるでしょう。
職種によって異なる通信インフラ業界の平均年収。ここでは現場を支える技術職に注目し、主要な4つの職種における年収水準を詳しく解説していきます。
ネットワークエンジニアは、コンピューター同士をつなぐ通信網の設計・構築・運用を担当します。ルーターやスイッチといったネットワーク機器を物理的に設置し、データが滞りなく流れるための「通信経路」を構築するのが主な任務です。
24時間体制での監視や障害発生時の迅速な復旧作業も重要な役割であり、社会の「つなぐ」を物理的に支えるインフラの要といえる仕事。近年では、ソフトウェアによってネットワークを制御するSDN技術への対応も求められています。
そんなネットワークエンジニアの年収は、一般的に約500万円~600万円が相場。初任給段階では300万円台からのスタートが多いですが、CCNAやCCNPといった業界資格を取得して要件定義や基本設計などの「上流工程」へキャリアを進めることで、年収600万円から700万円以上を目指すことも十分に可能です。
サーバーエンジニアは、データの保管やアプリケーションの実行を行う「サーバー」の構築と運用を専門とする職種です。
WindowsやLinuxなどのOS選定からWebサーバーやデータベースサーバーの構築、さらにはストレージ管理やバックアップ体制の整備まで、業務は多岐にわたります。
物理的なハードウェアの知識に加え、近年はVMwareなどの仮想化技術を用いて1台の物理サーバー上で複数の仮想サーバーを効率的に稼働させるスキルが不可欠となっています。
サーバーエンジニアの年収は、おおよそ約420万円~500万円前後が平均的な水準です。
エンジニアとしての実務経験を積んで大規模なサーバー移行プロジェクトやパフォーマンス最適化の設計に携わることで、年収500万円から600万円台へのステップアップが可能に。後述するクラウド技術を掛け合わせれば、さらに市場価値を高めることができます。
セキュリティエンジニアは、ITシステムをサイバー攻撃や情報漏洩のリスクから守るための防御体制を構築します。
システムの脆弱性診断やセキュリティ製品の導入、最新の攻撃手法に対する監視・対策などが主な仕事内容で、万が一のインシデント発生時には被害の調査や復旧対応を行う、いわばIT社会の安全を守る専門家です。
技術的な知識はもちろん、情報セキュリティに関する法規制やコンプライアンスに関する深い理解も不可欠となります。
セキュリティエンジニアの年収は約500万円~550万円以上と、技術職の中でも高水準。高度な専門スキルと重大な責任を伴うため、キャリアを積んだスペシャリストやコンサルタントであれば年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
企業の情報保護意識の高まりから、今後も非常に高い報酬水準と安定した需要が続くことが予想されます。
クラウドエンジニアは、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといったクラウドプラットフォーム上でインフラ環境を構築・運用する職種です。
物理的なサーバー機器を自社で持たず仮想空間上でネットワークやサーバーを柔軟に設計するため、スケーラビリティ(拡張性)やコスト最適化を考慮した高度な設計能力が求められます。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、現在最も需要が高いインフラ系職種の一つです。
そんなクラウドエンジニアの年収は他のインフラ職種と比較しても高めで、平均580万円程度が相場。専門性が高く市場に対して人材が不足しているため、30代で年収700万円を超えるケースも少なくありません。
クラウド各社の認定資格を取得し、高度なアーキテクチャ設計ができるようになれば、さらなる高待遇でのキャリアアップが期待できる将来性豊かな職種です。
業界を牽引する大手キャリア3社について、事業内容や給与水準など就職を検討する際に役立つ具体的な情報を紹介します。
NTTドコモは、国内最大級の回線契約数を誇る日本の通信業界のリーディングカンパニー。NTTグループの中核を担い、圧倒的な顧客基盤と高い信頼性を強みとしています。
同社は5Gネットワークの全国展開や次世代通信規格「6G」の研究開発を推進しており、災害時でも途切れない強固なネットワーク構築や衛星通信を活用した通信圏外の解消など、極めて公共性の高い通信インフラサービスを提供しています。
NTTドコモの平均年収は約935万円前後とされています(2024年度)。年功序列の安定感と近年導入された職務給(ジョブ型)の成果評価が組み合わさっており、30代で年収1,000万円の大台に届く社員も少なくありません。
ソフトバンクは、通信を基軸にAIや金融を融合させた独自のビジネスモデルを展開する革新的な通信キャリア。
インフラ面では基地局のAI化によるネットワークの最適化やHAPS(成層圏通信プラットフォーム)を用いた上空からの通信提供など、先進的な技術導入に定評があります。
高速光回線「ソフトバンク光」や、グループ各社と連携した決済基盤を支えるなど、デジタルの「血管」としての役割を果たしています。
平均年収は約849万円前後となっていますが(2025年3月期)、他2社と比較して実力主義の色合いが強く、年齢に関わらず実績次第でスピーディーな昇給が可能です。
最先端の技術に触れられる環境に加えて自律的なキャリア形成を支援する制度が整っている点も、同社の大きな魅力といえます。
KDDIは、「au」「UQ mobile」「povo」のマルチブランド戦略を展開し、通信とライフデザインの融合を掲げる企業。通信インフラ面ではモバイル通信に加えて光回線サービス「auひかり」などの固定通信、さらに世界規模の海底ケーブル敷設といった国際通信基盤も支えています。
また、法人向けにはIoT技術を活用したスマートドローンのインフラ構築など、次世代の社会基盤作りにも注力しています。
気になる平均年収は直近のデータで約1,018万円と、大手キャリアの中でも非常に高い水準を誇ります。(2026年3月時点)
ボーナスの比率が高いうえに業績や個人のパフォーマンスが給与に反映されやすい傾向にあり、安定した収益基盤を背景にトップクラスの待遇が維持されています。
デジタル化の加速や5G(第5世代移動通信システム)、次世代規格「6G」、そしてIoTの普及により、通信インフラは今や社会の存続に不可欠な「生命線」となりました。
今後も安定した市場成長が見込まれる中、専門スキルの需要拡大に伴って年収水準も上昇する可能性が高い、将来有望な業界といえます。
需要が途切れることのない盤石な事業基盤は、長期にわたってキャリアを築く上での大きな安心材料となるでしょう。
ただし、就職先を選ぶ際に、年収の額面を最優先事項とするのは避けるべき。たとえ高年収であっても、過度な残業や休日の少なさで「タイパ(タイムパフォーマンス)」が損なわれては本末転倒だからです。
勤務時間や休日に加えて、福利厚生の充実度も必ずチェックしましょう。給与は額が増えるほど所得税等の負担も大きくなりますが、手厚い手当や制度は税の影響を抑えつつ実質的な利益を全ての社員が享受できるという、大きなメリットがあるのです。
数字上の年収だけでなく、労働環境や制度面を含めた「実質的な豊かさ」を多角的に検討することが、将来有望な業界で心身の健康を損なうことなく長期的にキャリアを積み上げていくための鍵となります。